【Vanta導入企業向け】SOC2発行のご支援について
GRCツールを活用することで、SOC2レポートの発行はスピーディかつ効率的に進めることが可能です。しかし、ツールを導入すれば自動的に成果が出るわけではなく、「導入」と「使いこなし」の間には大きな差があります。
本記事では、GRCツールの中でも高い知名度を誇るVantaを利用した場合の、弊社のサポート内容をご紹介します。
Vanta導入後に直面する実務上の課題
Vantaを導入すると、統制や証憑の管理は形式的には整備されますが、実務上は以下のような課題に直面します。
- 抽象的な統制記述やコントロールに対して、どの程度まで具体化すべきか判断できない
- 自動テストで検知された事項に対し、必要以上に対応範囲を広げてしまう
- インテグレーションの範囲設定を誤り、必要なデータが取得できない、または過剰に取り込んでしまう
- エビデンスの収集において、過不足が生じる
- テスト除外(deactivate)の判断に合理的な根拠を持てない
これらはいずれも、「監査法人がどの水準まで求めてくるのか」が事前に見えないことに起因します。こうした論点については、プレ評価の段階から監査法人に意見を求めることができるかどうかによって、プロジェクトの進め方が大きく変わります。監査法人が求める水準を早期に把握できれば、不要な手戻りや過剰対応を避けることができ、結果として取得時期や工数・コストにも大きな差が生じます。
実務水準を踏まえた統制設計と助言
弊法人には、大手監査法人出身でSOC2をはじめとした保証業務に豊富な実績を持つメンバーが在籍しています。日本国内ではまだ限られている、GRCツールを活用したSOC2対応プロジェクトに関する知見を有している点が強みです。
デフォルトのコントロールやテンプレートを形式的に適用するのではなく、貴社のリスク認識や業務実態を踏まえた合理的な判断を行います。VantaのAutomated Testの結果をそのまま受け入れるのではなく、優先度や対応要否を整理した上で助言します。
また、最終的なSOC2レポートの仕上がりを見据え、ヒアリングを通じて実態に即した統制の整理を行うとともに、デフォルトに依存せず追加すべき統制についても検討し、監査対応を見据え、後工程での修正が最小限となるよう支援します。
監査対応におけるコミュニケーションの重要性
GRCツールは、監査対応におけるコミュニケーション負荷の軽減を価値の一つとしています。しかし実務上は、コミュニケーションそのものが不要になることはなく、むしろ「どのように意思疎通を図るか」が品質を大きく左右します。SOC2はチェックシート形式の認証ではなく、一定の統制が存在していれば足りるものではありません。なぜその統制を採用しているのか、どのようなリスク認識や開発思想に基づいているのかといった前提を含めて説明できる状態にしておく必要があります。
特に、統制の妥当性やエビデンスの十分性といった論点は、ツールだけでは完結せず、監査法人との対話を通じて整理していく必要があります。こうした論点については、Vantaの挙動や前提を理解した上で、エンジニアの観点も踏まえて議論できることが前提となります。しかし、この前提でコミュニケーションが取れる監査人は多くありません。
弊法人では、「形式的な指摘」や「杓子定規な要求」を行うのではなく、前提や意図を共有しながら整理していく対話を重視しています。
準備フェーズ(プレ評価)からの関与
弊法人では、監査(検証)フェーズに入る前段階であるreadiness check (プレ評価)から関与することが可能です。主な支援内容は以下のとおりです。
- 内部統制の整備状況の整理および過不足の評価
- Vantaのインテグレーション設計に関する助言(取得範囲・対象データの整理を含む)
- エビデンス収集に関する方針整理(必要な粒度・範囲の明確化)
- 自社実態に即した統制記述の方向性整理
- デフォルトに依存しない追加統制の要否検討
こうした準備段階での整理により、監査(検証)フェーズにおける手戻りや過剰対応を避けるとともに、監査人の評価観点を踏まえた対応をあらかじめ設計することが可能になります。Vanta社によるテクニカルサポートでは補いきれない、実務に基づく水準感や判断基準を事前に織り込むことで、SOC2レポート発行までのプロセスをより確実かつ効率的に進めることができます。
最後に
Vantaは、適切に活用すれば監査対応の効率化に寄与するGRCツールです。一方で、ツールの導入だけでSOC2対応が完結するわけではなく、統制の妥当性やエビデンスの十分性といった論点については、最終的に監査人の評価を前提とした設計が求められます。
弊法人は、GRCツールの特徴と監査実務の双方を踏まえ、過不足のない水準でのSOC2レポート発行まで伴走します。
