SOC2 Type1とType2の違いとは?
SOC2レポート取得の検討にあたって、「Type1とType2の違い」を理解することは避けて通れない道です。
「まずはType1が必要なのか?」
「最初からType2を目指すべきか?」
こうした判断に悩む企業も多いのではないでしょうか。
本記事では、SOC2 Type1とType2の違いと、どのような企業が取得すべきかについて解説します。
SOC2 Type1とは
Type1は、特定の時点において統制が整備されているかを監査法人が評価したレポートです。
“特定の時点において”のイメージがつきづらいですが、内部統制が会社として整備されている状態“のみ”を第三者が検証したレポートであって、それらの統制が“一定期間を通じて運用されていたのか”といった運用実態の評価までは踏み込んでいません。
内部統制の整備さえできていれば、運用評価のための期間を設ける必要がないため、比較的短期間でレポートの発行までたどり着くことができます。
SOC2 Type2とは
一方、Type2は統制が整備されていることに加え、一定期間にわたって運用されているかを監査法人が評価したレポートです。
整備状況のみの評価に加えて運用実績についても第三者が検証した結果であるため、Type1よりも信頼性が高いレポートであることがご理解いただけると思います。
運用評価を実施する都合、レポートの発行までに必要なタイムラインがType1に比べて長くなります。また、一定期間について運用が行われていることを第三者が客観的に評価できる体制を整えることは、初めてSOCレポートを取得する企業にとって長い時間を要します。
どちらを選ぶべきか
SOC2レポートを発行する立場においてのすみ分けは以下の通りです。
SOC2レポートを発行していることを早くアピールしたい場合は、まずはType1。
情報セキュリティに感度の高い企業や金融機関との取引を見据えてより高い信頼性を示したい場合は、 Type2
まずはType1レポートを発行 → Type2を発行する流れが一般的です。
Type1は必要なのか
上記の整理でいうと、Type2の取得から目指すことも制度上は可能ですが以下のリスクも付きまといます。
- 運用証跡の蓄積やプロセス定着に想定以上の時間を要し、レポート発行までのスケジュールが大幅に遅延するリスク
- 実運用が不十分なままType2監査に入った結果、除外事項付き意見が付され、その後の是正対応および再度の運用評価期間が必要となり、コストだけが先行して対外的に活用できるレポート発行が遠のくリスク
- Type1を経ずにType2を目指すことで、最初のSOCレポートを発行するタイミングが遅くなり、SOC2レポートの提出を要件(Type1/2問わず)としている企業との契約機会を逸失するリスク
Type1レポートの発行を経るかについては、自社の内部統制が現時点でどれだけ整備されているか、改善すべき事項に対応する期間がどのくらい必要か、また、SOC2レポートを発行していない状態が続くことでの機会損失リスクがどの程度あるかといった観点をもとに、総合的な判断が必要になります。検討にあたっては、事前評価を行う監査法人の所感をもとに現状を客観的に把握したうえで判断することも一案です。
まとめ
SOC2 Type1とType2は、「統制の整備状況のみを評価するか」「一定期間の運用実績まで評価するか」という点において大きく異なります。
Type2の方が信頼性の高いレポートである一方で、取得までに要する期間や求められる運用水準は高く、初めてSOC2レポートを取得する企業にとってはハードルが高いのも事実です。
そのため、まずはType1を取得し、その後Type2へ移行するという段階的なアプローチが一般的です。自社の統制整備状況や事業フェーズや取引先から求められる水準を踏まえ、現実的な計画を設計することが効率的な取得につながります。


